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January 2, 2007 | 米流時評 | 『楽園通信』デイリー版
By Christopher Dickey NEWSWEEK—WORLD NEWS | JAN. 8, 2007 ISSUE He killed not only Kurds and Shiites but Baathist rivals. His end was ignominious. President George W. Bush was sleeping at 9 p.m. at his ranch in Crawford, Texas, when Saddam Hussein's body plunged through the trapdoor of a gallows in Kadhimiya Prison on the outskirts of Baghdad. 独裁者の死/アメリカに落とす影 By クリストファー・ディッキー ニューズウィーク米国版 | 2007年1月8日号掲載 <ワールドニュース>コラム抜粋 サダムは反対勢力のクルド人やシーアばかりでなく、自身の所属するバース党のライバルまで亡き者にした。かくして彼の生涯は厚顔無恥の復讐劇で終幕を閉じた。 その頃ブッシュは……ジョージ・W・ブッシュ大統領は、テキサス州クロウフォードにある彼の牧場で午後9時にはもう眠りについていた。時を同じくして、バグダッド郊外のカディミヤ監獄にある死刑台では、サダム・フセインの死体が絞首刑の台に開けられた穴からぶら下がった。 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ Facing with his death It was dawn in the Iraqi capital, and the 69-year-old Butcher of Baghdad wore no blindfold. He had carried a Qur'an for the last few steps before his death, looking uncertain, even afraid, according to one of the witnesses close to him, but mouthing words of defiance. He sneered at Shiite guards—the warlord Moqtada al-Sadr's men, by one account. He praised God and, as he neared the gallows, proclaimed, "Iraq without me is nothing." そのときサダムは…… イラクの首都の明け方、69才の「バグダッドのブッチャー」と呼ばれた人物は、死刑囚が刑執行時に被る黒い頭巾も目隠しも着けていなかった。彼のすぐ傍らにいた目撃者の話によると、サダムは死の一歩手前にあって不安そうに恐怖心さえあらわにしながらも、コーランをしっかりと抱え、非難めいた言葉を発した。ムクタダ・アルサドルの死の軍団の戦士だと伝えられるシーア派のガードマンたちを睥睨してから、アラーの神を称えながら階下で絞首台を取り囲む証人たちを一瞥し、こう叫んだ。「俺のいないイラクなんて、無一物だ。」 'An important milestone' Like the war that overthrew him in 2003, the hanging of Saddam Hussein did not turn out as planned. Instead of a study in modern justice, the tyrant's end looked more like the result of a sectarian show trial. From Crawford, the only comment was a muted, written statement: no proclamation of "mission accomplished," just of "an important milestone" after "a difficult year for the Iraqi people and for our troops." The best that could be said was that the trial was fairer than those Saddam gave his many enemies. ブッシュ「歴史の重要な一里塚」 2003年に権力の座から追放したイラク戦争と同様、サダム・フセインの絞首刑は計画通りには運ばなかった。近代法の踏襲というよりも、むしろこの独裁者の末期は、派閥抗争の見せしめの裁判劇が終幕を迎えた趣きに見えた。クロウフォード牧場から発表されたブッシュの声明は、終始押さえたトーンで書かれたたった1ページの紙切れだった。バグダッド陥落後、艦上で挙行された戦勝ページェントでの「Mission accomplished/使命完了」といった華々しい勝利宣言もなく、その書面には「イラク国民と我が軍の困難な時局後に迎えた重要な一里塚」と記されたのみである。文中であえて最良の箇所を探すとすれば、「サダムの裁判は、彼が敵対勢力に下した判決よりも公正であった。」という一文がせめてもの事実に即した価値評価であろうか。 Three decades of totalitarian rule Saddam Hussein's savage totalitarian rule lasted more than three decades. Torture and murder were his métiers, both practiced without evident remorse or the slightest regret. (Telling a joke about Saddam was a capital crime in his Iraq.) His arrogance led him to disastrous misjudgments. He launched a war against Iran that lasted eight years, and one against Kuwait that ended with his humiliating defeat in Desert Storm. 30年にわたる恐怖政治 サダム・フセインの暴虐な全体主義的支配体制は、三十年以上にわたって続いた。拷問や殺戮は彼のメティエール (専門業・得意技)であり、どちらの場合も遂行するにあたっては、罪の意識も後悔の逡巡も一片たりとも見せなかったという。(サダムに関してジョークを言う事さえ、彼の統治下のイラクでは最高刑を科された。)ひとの意見を聞かない彼の傲岸な性格は、自滅的な誤った政治判断を招いた。隣国イランに対しては戦争を仕掛け、8年間にわたって手こずった。また同様にクウェートを侵略し、その結果湾岸戦争として米軍を相手に巻き込み大敗した。 He dreamed of imposing himself on the region with weapons of mass destruction, and acted as though he had them even when he didn't. He kept his distance from Al Qaeda, but aided and abetted many other terrorist groups. And he annihilated would-be rebels—along with their extended families—killing tens of thousands of Shiites and Kurds with guns, bombs, chemical weapons: whatever worked. If the evil that men do lives after them, then Saddam Hussein will long endure. 圧殺の砂漠 彼の野望は、大量殺戮兵器を所有する大国の列に連なる事であり、事実に反して所有してもいなかったのに、あたかもすでにWMDがあるかのようにうそぶいた。アル・カイダとは距離をおきながらも、他のテロリストグループへは援助の手を伸べテロ活動を鼓舞した。また反対勢力に対しては、本人と家族はもとより、遠い親族にいたるまですべからく圧殺した。反サダムのシーア派やクルド人は、銃殺、爆死、化学兵器による毒ガス死など、手段を選ばずに何千人もが殺戮された。もし本人の死後もそのたたりがこの世に長く生きながらえるというならば、サダム・フセインの悪行こそ末永く語り継がれるだろう。 Unifying Iraq and balancing Mideast But the much more complicated question for now and for the future concerns the "good" he achieved, which may well have been interred with his regime. At a terrible cost, but with ruthless efficacy, he kept Iraq unified and provided a critical balance of power against Iran. If the Middle East is to be stabilized, and American long-term interests protected, those goals are still critically important. 国家統一と中東の勢力均衡 しかし、それよりももっと込み入った問題がイラクの行く末に立ちはだかっている。サダムの支配下で遂行された「善行」ともいえる業績がそれである。持ち前の残虐の限りを尽くしてすさまじい犠牲を払った末に、とにもかくにも彼はイラクを近代国家として統一したのだ。その結果イランと拮抗する勢力が出現し、近隣諸国での抗争が絶えなかった中東に勢力均衡による平定をもたらし、アラブ安定化時代の訪れに一役買ったのも、歴史が頷く事実である。<抄訳 ysbee> ▶ Newsweekのサイトでこのあとの原文記事を読む ◀ ブログ村ランキングにぽちっとひと押し ◀ 人気blogランキングへ一票 ◀ 今年は少しがんばろう! ◀ もうひとつよろしく! .......................................................................................................................................... クリストファー・ディッキー 上述の『World News』の他にニューズウィーク誌の名物コラム『SHADOWLAND』を執筆するのは、ハードボイルドな筆致と巧みな比喩、卓越した洞察力で、主に中東情勢を中心に外交問題を小説のように読ませる、クリストファー・ディッキーである。文系の大学教授のような風貌で、詩人の父をもち、中東や欧米のハイソサエティや外交官たちとも親交の深い、アメリカの知性派ジャーナリストを代表する紳士でもある。 どうも普段からイタリーと中東を行き来しているような状況らしく、米国のテレビに登場する事は稀。しかし一度彼のコラムを読むと、レイモンド・チャンドラーの探偵小説を読むような響きのよい惚れ惚れとする美文に出くわし、本題そっちのけで暗唱する事もたびたび。昨年の夏もレバノン戦争勃発前のきな臭い中東からのレポートを数回にわたって紹介したので、もしかしたらどなたかすでにお読みになったかも知れない。米流時評が自信を持って推薦するジャーナリストのひとり。 『楽園通信』で紹介したクリストファー・ディッキーのコラム 注: 彼のひねりの利いたコラムタイトルは、日本語に訳すと意味不明になり英語圏人にしか通用しない凝った名前が多いので、私流に勝手に付けたページタイトルになっています。 ▶ 5/12号「イラン人の手紙・アラビア半島逆ドミノ理論」 ▶ 5/13号「恐怖の三題噺 第1話 / 9.11・イラク戦争・石油危機」 ▶ 5/14号「恐怖の三題噺 第2話/イラン・核武装・第二次冷戦時代」 ▶ 5/15号「恐怖の三題噺 第3話/不法入国・国境警備・軍国主義化」 ▶ 10/5号「中東を塗り替える悪魔の地図/ネオコンの描く新世界」 ▶ 10/10号「平壌シンドローム/被爆したブッシュ外交 北朝鮮核実験・第三報」 楽園通信ご愛読のみなさまへ より迅速な情報発信のため、12/30号より日刊のブログはこちらのexblogで発行いたします。掲載記事はまとめて、従来の本誌へ保存版として掲載します。今後とも日刊『米流時評』、月刊『楽園通信』共に引き続きご愛読くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。 <編集長 ysbee> 以下ブログの本誌です: ▶『楽園通信』本誌カバーページ ▶『楽園通信』全記事アーカイブ ▶『楽園紀行』イタリー編トラベローグ ▶『楽園百撰』ハワイのベスト100 ▶『米流時評』コラム「傷だらけの星条旗 / 米国ジャーナリズムの良心」
by ysbee-Mac
| 2007-01-02 19:10
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