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テッド・ケネディは歴史に残る名演説を、決然とした口調で語りかけた。75才にもならんとしてなおかくしゃくたる、白髪豊かな紳士。暗殺されたアメリカのヒーローを二人も兄弟にもち、上院議員歴すでに44年。しかも幾多の障害を乗り越えながら、再びその政治歴のピークに立つ。
愛妻と大家族と健康に恵まれ、なおかつ山のような行政の難題に立ち向かうリーダーとして…… イラク戦争によってアメリカが変わる歴史的瞬間を凝視したハワード・ファインマンの名コラム。 「米国政治再編成への決意」 American lives, American values, and America’s role in the world is at stake. As the November election made clear, the American people oppose this war, and an even greater number oppose sending more troops to Iraq." "We escalated the war, instead of ending it. Like Vietnam, there is no military solution to Iraq. The President is the last person in America to understand that. We must not only speak against the surge in troops, we must act to prevent it." .......................................................................................................................................... January 13, 2007 | 米流時評 | 『楽園通信』デイリー版 A Defining Realignment By Howard Fineman Newsweek | LIVING POLITICS | JAN 22, 2007 issue Ted Kennedy speaks with the voice of history. White-maned and nearing 75, the brother of two assassinated heroes and a veteran of 44 Senate years, he is—in defiance of the odds—again in his prime: a chairman in good health with a doting wife and a packed legislative agenda. Irish-American Isaiah No one tells Ted Kennedy what to do; in any case, the Senate's Democratic leaders were fine with his plan to give a big speech two days before President George W. Bush announced a troop "surge" in Iraq. They are generally glad to let Kennedy play the role he relishes: Irish-American Isaiah, calling his party to account even as legislative insiders keep their distance. アイリッシュアメリカンのイザヤ 誰がテッド・ケネディに命令を下したわけでもない。たとえブッシュの声明がどうあろうと、ケネディ議員が反撃の一大演説をぶつという計画に対して、民主党上院議員のリーダーたちはすでに快諾していた。ジョージ・W・ブッシュ大統領がイラクへの増兵を発表する二日も前のことだ。彼自身が「アイリッシュアメリカンのイザヤ」(*note1) としての役割を率先して果たすこと、即ちワシントンの内情を知る者なら一歩引くに違いない現政権を糾弾する立場に身に置くことを、むしろ一概に喜ばしく思っていた。 "Iraq is George Bush's Vietnam!" This time party brass got more than they bargained for. Summoning the authority of his years as an intimate witness to history, Kennedy made an eloquent case for a Senate vote on the surge and for a court test of its legitimacy under the War Powers Resolution. "Iraq is George Bush's Vietnam!" he thundered. "Echoes of that disaster are all around us today!" (*note 2) It was, in its own way, a defining moment. He got a standing ovation and, the next day, congratulations all around on the Hill. By the end of the week—in the aftermath of Bush's tepid speech and Condi Rice's evasive testimony—Kennedy looked prescient. 「イラクはジョージ・ブッシュのベトナム」 しかし今回の警鐘の言葉は彼らが吹聴した以上の高らかな音声で鳴り響いた。歴史的瞬間を目の当たりにする証人としてケネディと同期の長老以下政界のお歴々が呼び集められた。戦時特例法案を楯に増兵に対する上院の投票が勝手にパスされた件について、その合法性に異議を唱えて広聴委員会で審議するべく反旗を翻そうという、まさに一大転機なのである。 「イラクはジョージ・ブッシュのベトナムである!」その声は雷鳴のように響きわたった。 「あの時の惨状が、我々の周りいたるところで、今日また繰り返されている!」 それはまさに、そのスタイルからしても歴史に残る瞬間であった。声明が終わると同時に集まった連中からスタンディング・オベーションの喝采がわき起こり、翌日には上下両院にわたって彼の勇気ある行動への賛辞が飛び交った。10日のブッシュの惨めなスピーチとコンディ・ライス国務長官の上院外交委員会での哀れな証言の後だっただけに、その週の終わりには、ケネディはまるで大統領のように堂々として見えた。 Realignment of American Politics A generation ago, a war—Vietnam—launched a realignment of American politics. Now, it seems increasingly clear, Iraq is doing the same. In 1968 college students flocked to the New Hampshire primary to protest Lyndon Johnson's policies, sparking a civil war in the Democratic Party on foreign policy that lasted for a generation. By contrast, Vietnam united the GOP around an anti-communist crusade that endured for decades. 米国政治の再構成 もうひと世代も昔、ある戦争が(ベトナム戦争だが)、図らずもアメリカの政治再編成をもたらした。今日では、日に日に如実になって来ているが、イラク戦争がそれと同じ役割を果たしつつある。 1968年ニューハンプシャー州の大統領予備選では、大学生がリンドン・B・ジョンソン大統領のベトナム政策(北爆)に抗議し、民主党側の外交政策に反対する市民戦争まがいの反戦運動に火をつけたが、その余波はその後もひと世代継続した。民主党とは対照的に、ベトナム戦争は反共産主義のクルセイダーを標榜することで共和党を結束させ、これもまた数十年生きながらえた。 Mirror image of Cold War "Ronald Reagan was gung-ho about Vietnam," says Craig Shirley, a GOP operative and Reagan biographer. "It solidified his world view, and the party's." Now a mirror image is developing. Democrats seem to be uniting around a theme—the primacy of global diplomacy and congressional review. Republicans, by contrast, have lost the unity that they had during the cold war and the early years of the war on terror. 冷戦のミラーイメージ 現役の共和党党員でレーガン大統領の伝記作家でもあるクレイグ・シャーリー氏は、この件に関してこう語る。「ロナルド・レーガンはべトナム戦争に関してはタカ派だと言えよう。ベトナムは彼の世界観を堅固なものにした。共和党の方針もだ。」 しかし、今や当時と全く正反対の状況が再現されつつある。民主党は、グローバル外交と議会懸案の優先というテーマに沿って一致団結しているように見える。これに反して共和党は、冷戦時代を通してさらには対テロリズム戦争の当初に見られたような、党の結束を見失ったようだ。 Republican divided, Democratic united As Republican divisions grow, Democrats, pressed by their antiwar grass roots, are drawing together. Except for "Independent Democrat" Sen. Joe Lieberman, Dems are increasingly of one mind about Iraq in particular and antiterrorism strategy in general. A vote on surge spending—which Democratic Senate leaders had hoped to avoid and which is technically difficult to devise—now is likely at some point. In general, the party seems less fearful of the old "soft on defense" shibboleth, and ever more tolerant of groups such as Win Without War and Move On. 共和党分裂、民主党結束 共和党の分裂が進む一方で、草の根主義的反戦運動によって活気づけられてきた民主党は、挙党態勢で活躍してきた。ただし「民主党独立派」のジョー・リーバーマン上院議員を除いての話だが。一般的には反テロリズム対策、その中でも特にイラク問題に関して、民主党はますます意を一つにしてきている。「サージ」増兵追加予算案に対する決議は、民主党上院議員のリーダーたちが議会通過を当然回避したい議案であり、また(11月の選挙以前は少数党だったので)そうすることは議会運営上難しかったが、今やある時点ではそうなりそうな雲行きである。今日ではおしなべてこの党は旧来の「国防には弱い」というイメージを払拭しつつあり、「Win Without War」や「Move On」といった有力な政治活動グループのお墨付きを得てきている。 A fateful competition One of the Senate's few other hawkish Democrats, Sen. Evan Bayh, told me that he opposes the surge, and agreed that Congress might have to face the question of funding at some point. The Senate's growing ranks of Democratic presidential contenders—Chris Dodd jumped in last week, Hillary Clinton and Barack Obama are expected to do so soon—are gravitating toward a bring-them-home-quickly stance. "We don't want to come off looking like wimps," said Terry McAuliffe, a Clinton supporter and former party chairman. But he added: "We're jumping all over ourselves now to see who can be the toughest on Bush and the war." It's a fateful competition—which Ted Kennedy already won. 次期大統領候補選の勝者 リーバーマン以外のもうひとりのタカ派であるエヴァン・ベイ民主党上院議員でさえ「サージ案」には反対で、このままいけばある時点で、下院が予算編成に対して疑問をぶつける局面もあり得るだろうと同調する。 民主党の大統領候補者のグループは日々その数を増しているが、先週飛び入りしたクリス・ドッド議員、間もなく戦列に参加すると期待されているヒラリー・クリントン、バラク・オバマを始めとする上院議員たちは、みな一様に「イラク即刻退却」をとるスタンスに向けて一致している。 「弱虫に見えるような候補は登場させたくない。」こう言うのは、クリントン議員のサポーターであり、前民主党党首のテリー・マックルーア。さらに彼はこう付け加える。「誰がブッシュに対して、そして戦争に対して最も強気に戦えるかをしっかり見極めるのに、我々も大わらわですよ。」 それはアメリカの命運を賭けた勝負である……そしてテッド・ケネディがすでに勝った。 <抄訳 ysbee> ■ ■ ■ ■ ■ ケネディ上院議員の戦争拡大反対宣言/Address of Senator Edward M. Kennedy ■ ケネディ「イラクスピーチ」 演説元原稿 “Escalation is Not the Answer: Time for Congress to Act to Ensure Real Change in Iraq” ■ 下院スピーチ プレスリリース Floor Statement by Senator Edward M. Kennedy on Escalation of War in Iraq ◀ ブログ村ランキングにぽちっとひと押し ◀ 人気blogランキングへ一票 ◀ 今年は少しがんばろう! ◀ FC2ブログランキングも .......................................................................................................................................... ハワード・ファインマンはニューズウィーク誌の主筆コラムニストで、普段から巧みなワシントンの政治評論コラム「Living Politics」を連載していますが、今回のように国家の方向転換が期待されるような重大な局面では、真っ先にペンをとり全体像がつかめるようなcomprehensiveな時評を発表します。 ysnote:本日のキーワード note 1*イザヤ(英語の発音はイザイア)とは旧約聖書のエゼキエル書に出てくる人物で、紀元前8世紀のユダヤ王国の預言者。時の王エゼキエルに、当時のイスラエルとシリアを侵略したアッシリアの暴政支配に抵抗して、反乱を起こすよう諌言した。またユダヤ教の唯一絶対神の論理を確立、信者のモラルの高揚を説いた。 note 2* disaster ディザスター:破滅、潰滅、瓦礫、完敗、めちゃくちゃ、どうしようもない惨状。イラク戦争の枕詞のようによく使われる。ブッシュの政策に対しても。形容詞は「disastrous ディザストゥラス」。 解説*「アイリッシュアメリカンのイザヤ」 通常計算高い知能派で財界を牛耳るユダヤ人と、向こうっ気が強く「宵越しの金は持たねぇ」的な庶民的行動派のアイルランド系アメリカ人。米国の見えざる「経済のヒエラルキー」ではトップの支配階級と下部のブルーカラーとにソーティングされる人種の対比です。 民族性を比較すると、性格的にも社会行動的にも対極に位置すると見なされる両者。こういう社会的背景があるので、アイリッシュ系を代表するケネディをユダヤ人の預言者に例えるのは、まさに「手術台の上でこうもり傘とミシンが出会った」ようなシュールレアリスト的手法。異世界の二語が出会い頭に発するスパークで読み手の脳細胞を刺激するかなり斬新な比喩だと言えるでしょう。 ここでは「アイリッシュなおもて諌言す、いわんやユダヤ人においておや」という論法で、暗にユダヤ系民主党議員を代表する上院のジョー・リーバーマンがブッシュに寝返った醜態を言い含み、言わずもがなで糾弾しているようです。日本の読者には政治ジャンキーの深読みのように聞こえるかもしれませんが、リーバーマンの裏切り行為に業を煮やしている民主党サイド(支持する国民も含めて)にとってはツーカーの構図が、紙背に看てとれます。 こんなふうに、万人におなじみの歴史上の人物や常套句を現行の政治情勢にあてはめて、キャッチーなタイトルを冠し見事なカリカチュアを描出するのが、ハワード・ファインマンの独壇場。時としてそのままメディア界の流行語にもなったりするので、彼の評論は時勢に鋭い知識人にとっては must read の必読コラムです。 ■ ■ ■ ■ ■ 楽園通信ご愛読のみなさまへ より迅速な情報発信のため、昨年12/30号より日刊のブログはこちらのexblogで発行しております。掲載記事はまとめて従来の本誌へ保存版として掲載します。今後とも日刊『米流時評』、月刊『楽園通信』共に引き続きご愛読くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。 <編集長 ysbee> *ブッシュ政権の末期症状に関する「米流時評」の記事リンク 5/08 ニュースのてんこ森/連休明け5時起き第一報 5/09 続ニュースのてんこ森/あやうし!風雲ブッシュ城 11/13 パパ・ブッシュの介入/共和党体勢崩落後のアフターショック 11/19 「転がる石のように」共和党内部の反乱 11/20 「復讐するは我にあり」ネオコン首謀者の変節 以下ブログの本誌です: ▶ 本誌『楽園通信』カバーページ ▶『楽園通信』全記事アーカイブ ▶『楽園紀行』イタリー編トラベローグ ▶『楽園百撰』ハワイのベスト100 ▶『米流時評』コラム「傷だらけの星条旗 / 米国ジャーナリズムの良心」
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| 2007-01-13 14:50
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