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パリ発 2007年2月28日 |28日水曜パリ警察は、少なくとも時価76億円相当の2点のピカソの油絵を含む数点の絵画が、巨匠の孫娘の自宅であるパリのマンションから盗まれたと報告した。 犯行が行われた当時ピカソの孫娘であるダイアナ・ウィドマイエール・ピカソさんのマンションにはふたりの家人がいたが、犯人は音も無く忍び込み家人に気づかれること無く犯行を終えたようである。警察の発表では、多少の証拠は残っているものの、犯人がどのように室内に侵入できたのかは謎である。盗まれた絵画のうち2点は、ひとつがキュービズムの巨匠パブロ・ピカソの娘マヤを描いたものと、もう一方は彼の二度目の妻ジャクリーヌの肖像である。この2点だけでも時価6600万ドル(約76億円)相当の被害である。 $66 million Picasso Paintings Stolen in Paris Paintings taken from home of artist’s granddaughter; signs of burglary seen PARIS | MARCH 1, 2007 — In a stealthy overnight heist, burglars slipped into the Paris apartment of Picasso’s granddaughter and spirited away two portraits of women the artist loved, slicing one of the paintings out of its frame. The thieves were so quiet that the two people in the apartment of Diana Widmaier-Picasso at the time didn’t hear them make off with the art treasures, police said. The burglars left few clues, and police said they were not sure how the intruders gained entry. The two paintings — one of Pablo Picasso’s daughter Maya, the other of his second wife, Jacqueline — together are worth an estimated $66 million. ▼ ぽちぽちっとランキング、よろしくおねがいします! お楽しみはこれからだ!ここから先がメインですよ。▼ __________________________________________________________________ March 1, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽 園 通 信』デイリー版 Associated Press/MSNBC.com パリ在住ピカソの孫娘のマンションから時価76億円相当以上の巨匠の名画数点盗難さる 1. 551 missing or stolen Picasso The paintings join 549 other missing or stolen works by the prolific Spanish painter, sculptor, graphic artist and ceramist, considered by many the leading artist of the 20th century. According to the Web site of the Metropolitan Museum of Art in New York, Picasso produced more than 20,000 works of art during his long career. ◀ 盗難された絵画の一点、ピカソの娘「マヤと人形」 551点にのぼる「失われたピカソ」作品 盗まれた絵画は、多くの人によって20世紀芸術の旗手と認められる、このスペインの天才画家、彫刻家、グラフィック・アーティスト、陶芸家が数多く生み出した中でも、549点にものぼる紛失作品のリストに加わったことになる。ニューヨークにあるメトロポリタン美術館のウェブサイトによると、ピカソはその長い創作人生の中で、2万点以上の作品を生み出したとある。 2. Art expert: Sale is possible Art experts say that if the burglars hope to sell the paintings, they are in for a surprise. Any work by Picasso is “very hard to fence because it’s so well-known — stealing a Picasso is like stealing a sign that says, ‘I’m a thief,”’ said Jonathan Sazonoff, who runs a leading Web site on stolen art. Katie Dugdale of the Art Loss Register, which maintains the world’s largest database on stolen, missing and looted art, said that although it’s difficult, famous artworks can be sold on the black market. “Even though they can’t get full value, there’s still some value, unfortunately,” she said, particularly if the artworks are used to fund other illegal activities, like arms trading. 絵画市場専門家:売却の可能性も 美術鑑定家は、万一犯人がこれらの絵を売りたいと思ったら、捜査の網がくまなく張り巡らされていることに驚くだろう、と推察する。ピカソのどの作品であれ隠しようがない。なぜならあまりにもよく知られているからだ。「ピカソを盗むのは『俺は泥棒だ』という看板を盗むようなものですよ」これが、ネット上でもトップクラスの盗まれた作品のウェブサイトを運営するジョナサン・サゾノフの感想である。 世界最大の盗品や紛失作品のデータベースを維持しているArt Loss Register/喪失芸術作品登記所のケイティ・ダグデール女史は、実行するのは困難でも著名な美術品はブラックマーケットで売られる可能性もあると説明した。「たとえ時価の全額で売れなくても、それ相当の価値で売れますから……残念なことですが、たとえば兵器密売のような不法行為の資金になる場合には、そのような可能性もあります」と状況説明した。 ▼ 目まぐるしく変遷する作風の中でも初期の「青の時代」の自画像/「赤の時代」の『赤いソファの上の道化師』 3. Recovery likely by intense attention In high-profile cases like the theft of the Picassos in Paris, recovery is likely because of intense media attention and ramped-up police efforts. “Usually with things like this, they’re recovered right away,” Dugdale said, noting that the paintings, already recognizable, will become nearly universally so after their images appear in the media. For most works, however, she said the average recovery time is seven years. 高名なほど発見の可能性も 今回のパリのピカソ盗難事件のような[high-profile case]大事件は、マスコミの関心が非常に高いのと警察側の特別捜査態勢のおかげで、発見されやすいと言える。「通常このように大騒ぎになる事件の場合は、即刻みつかるものです。作品自体がすでによく知られている上に、盗まれた作品のイメージがメディアに取り上げられるや否やますます世界的に有名になるからです。しかしながら盗まれたほとんどの作品は、回収までに平均7年ほどかかるというデータが上がっています。」ダグデール女史は盗まれた作品が発見される可能性をこのように分析した。 ▼ 近代美術史上の革命的立体派宣言『アヴィニヨンの娘たち』/ダダイズムの影響が見られるコラージュ『ギター』 4. Anatomy of a break-in Obering said he expected Boeing Co. to lead the interceptor site in Poland, which would cost $2-2.5 billion, $900 million of which could go to contracts to local firms. The Czech radar site would cost around $500 million, some $150-200 million of which could go locally, he said. If a deal is reached this year, building at the interceptor site could begin in 2008, the first interceptor missiles positioned in 2011, and the programme completed in 2013. 犯行の手口を解明 パリ警察の捜査陣は2月28日水曜、何が起ったのかの断片を寄せ集めて事件の全体像をつかむのに苦労していると漏らした。犯人たちは複数で、月曜深夜か火曜の早朝パリ左岸のシックな住宅街にあるマンションに侵入したものと、警察と検察側は共同発表している。警察側が公開した内容によると、捜査陣はドアのロックが壊されたものかどうか、また警報装置が作動していたかどうかを調べている最中である。犯人たちはいったんマンション内部へ侵入した後、盗まれた絵画のひとつである『マヤと人形』の絵のキャンバスのふちを刃物で切って、額から取り出した模様である。この詳細は捜査が続行中のため、捜査官の名は伏せたまま公表された。 ▼ 最初の妻オルガ・コクロヴァ。後世のスケッチに通じるシンプルな描線がすでに描出されている/右:同じくオルガの肖像。当時の美術的潮流アール・デコの作風はタマラ・ド・レンピッカなどの作品とも共通する強調された陰影 5. Picasso's daughter, Maya The painting has sentimental value for Widmaier-Picasso: It shows her mother, Maya, as a young girl in pigtails, eyes askew in the classic off-kilter Cubist perspective. Another version of the painting hangs in the Picasso Museum in Paris. Maya was Picasso’s daughter. Her mother was Marie-Therese Walter, whom Picasso met when she was a fresh-faced, blonde teenager. Their affair did not last. Four years after Picasso died in 1973, Walter committed suicide by hanging. Maya Picasso married Pierre Widmaier and had three children, Olivier, Richard and Diana Widmaier-Picasso, an art historian and author of a book called “Picasso: Art Can Only be Erotic.” ピカソの愛娘マヤ 盗まれた作品は、盗難の被害者であるウィドマイエール・ピカソにとってはセンチメンタルな価値を持つものである。なぜなら、それは彼女の母マヤがお下げ髪の幼い少女として描かれた肖像だからである。しかも立体派特有の描法で片ちんばなロンパリの目で描かれている。この絵には同じ構図のもうひとつの作品が存在し、パリのピカソ美術館に飾られている。マヤはピカソの娘である。彼女の母親がマリーテレーズ・ワルテールで、まだ初々しいブロンドのティーンの時代にピカソと邂逅した女性である。二人の恋愛関係は長くは続かなかった。1973年にピカソが死んでから4年後に、ワルテールは首吊り自殺を遂げた。娘のマヤ・ピカソはピエール・ウィドマイエールと結婚し、オリヴィエ、リシャール、ディアナの3人の子供をもうけた。末娘のディアナ・ウィドマイエール・ピカソは美術史家であり『ピカソ:ひたすら官能的な芸術』というタイトルの本の著者でもある。 ▼今回盗まれた『マヤと人形』と同じ構図で描かれた同名作品/右は同年作品でより立体派的な『マヤとボート』 6. Second wife Jacqueline The other missing painting is “Portrait of Jacqueline,” and the burglars took the frame with it, police said. The painting was one of many that depict Picasso’s second wife, Jacqueline Roque, whom he married in 1961 when he was 79 years old and she was in her mid-30s. After Picasso died of a heart attack, his heirs divided up the paintings that he treasured over the years. 二番目の妻ジャクリーヌ 盗まれた油絵のもうひとつは『ジャクリーヌの肖像』で、犯人たちはこの絵を額ごと盗んだと警察は伝えている。79才のピカソは、当時まだ30代半ばだったジャクリーヌ・ロークと1961年に結婚したが、この絵はその2度目の妻を描いた数多い肖像画の中のひとつである。ピカソが1973年に心臓麻痺で亡くなった後、彼の遺産相続者たちはピカソが長年愛着をもって秘蔵していた数々の絵を、遺産として分割相続した。 ▼ ピカソの恋する女はみな意志の強い美貌の持ち主。左右ともジャクリーヌ・ロークだが作風でこんなにも別人に 7. Unsold mystery While the two stolen portraits are worth tens of millions of dollars, they are not as valuable as some other works — Picasso’s “Boy with a Pipe,” for instance, sold at auction in 2004 for $78.7 million. But the stolen paintings are important because the artist chose to keep them, said Pepe Karmel, an associate professor at New York University and the author of “Picasso and the Invention of Cubism.” “They were meaningful to him, so he didn’t sell them,” Karmel said. 売られなかった絵の秘密 これら2点の肖像画は何十億ドルもの価値があるが、例えば『笛を持った少年』などのピカソの他の著名な作品ほどの価値はないと評価されている。ちなみにこの絵は2004年のオークションで78.7億ドル(約913億円)で売却された。しかし盗まれた絵画は、元々はピカソ自身が秘蔵していたという史実が故に重要であると、ニューヨーク大学の助教授で『ピカソと立体派絵画の創造』の著者であるペペ・カーメル氏は解説する。「それらの絵は、ピカソにとって意義のあるものだったからこそ売らなかったのです」 ▼ 左:ブロンドで悲しいまでに透き通った碧眼のマリーテレーズ・ワルテール。最初の妻オルガがいたためにピカソとの結婚はついにできなかったが、二人の間には愛娘マヤが生まれる。マヤは今回盗まれた絵のモデルであり、絵の所有者であるディアナ・ウィドマイエールの母にあたる。マリーテレーズはピカソの死の4年後にパリで自殺。私がこの絵をつい「悲しい目のマリーテレーズ」と呼んでしまう由縁である。/右:2度目の妻ジャクリーヌとの間に生まれたパウロ。3人兄弟姉妹 [sibling] の末っ子はデザイナーとして有名なパロマ・ピカソ。 8. Adding to 549 'missing Picasso' list It was unclear if the thieves also made off with drawings by Picasso. Police and the Paris prosecutor’s office mentioned only the two paintings, but the director of the Picasso Museum in Paris, Anne Baldassari, said several paintings and drawings were stolen. She did not give details. The Art Loss Register now lists 549 missing Picasso pieces, including paintings, lithographs, drawings and ceramics, said Beth Kocher, an art historian with the register. In all, the group’s database contains more than 170,000 pieces of stolen, missing or looted art. 消失リストにピカソの作品549点 盗んだ犯人たちがピカソの他のデッサンも掠めとったかどうかは明らかではない。パリ警察と検察側では上記の2点の作品について触れただけであるが、パリにあるピカソ美術館のアンヌ・バルダッサリ館長は数点の油絵とデッサン画が盗まれたと語っている。しかし彼女もその詳細は伝えていない。喪失作品リストの権威アート・ロス・レジスターの美術史家で鑑定登録人のベス・コーチャー女史は、この事件以前の段階ですでに549点の油絵、リトグラフ、デッサン、陶芸と、多岐にわたる「失われたピカソ」作品がリストに上げられていると報告している。とにもかくにもこの登記団体のデータベースには、17万点以上の盗難・紛失・略奪された美術品が網羅されているというから驚きである。 ▼ 作品の数も多ければミューズの数も限りなく…左は1937年のドーラ・マール/右は1948年のフランソワーズ 9. Piece of art? 'Blood of Picasso' The number of missing Picassos is so large because he was so prolific. He created so much in so many different media, in fact, that it is difficult to pinpoint an exact number of his artworks — it depends on what counts as art. Auctioneers in Paris in 1998 sold matchbox covers that Picasso doodled on, as well as other small treasures. One item on the auction block was a scrap of paper with a bloodstain on it. Below the stain, Dora Maar, another of Picasso’s muses, wrote: “Blood of Picasso.” 作品「ピカソの血」? 「失われたピカソ」作品の点数は余りにも多く、それは彼が多作であったことにも由来している。ピカソはありとあらゆる芸術媒体を通して、かくも沢山の作品を創り上げてきた。実際、彼の芸術作品の正確な総点数を確定するのは至難の業である。それは、何を基準にして芸術作品と呼ぶかにかかっている。1998年にあったパリのオークションでは、ピカソが落書きをしたマッチ箱が、他のこまごまとした逸品と一緒に競売された。オークションの中のひとつは一片の紙切れであり、それには血のシミがついていた。そのシミの下には、ピカソのミューズのひとりであったドーラ・マールの手でこう銘記されている。『ピカソの血』と。 【2007年3月1日 本文訳と絵の解説文:ysbee】 *ysbee*の「気になる果実」・・・・・【 A N A T O M Y o f P I C A S S O 】・・・・・ ピカソの女性像・解剖学 愛娘マヤまで生まれたにもかかわらず、ピカソとは結婚できなかったマリーテレーズ・ウィドマイエールの肖像。 たった1年の間に作風とマリーテレーズの形相がどんどん変化していく過程で、いったい何があったのか? 制作は全て1937年。モデルもすべてマリー・テレーズ本人である。ここまで描く? 画家の業(ごう)止まず。 GUERNICA・不朽の名画「ゲルニカ」 ピカソの代表作「ゲルニカ」は1937年の作品で、当時ヨーロッパを覆いつつあった第二次大戦の予兆を描いた傑作。
by ysbee-Mac
| 2007-03-01 18:39
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