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イラク戦争開始以来、中東全体が一触即発の戦争一歩手前の危険な状態になってしまった。特に昨年7・8月のイスラエルのレバノン侵略、先月末から2週間英国とイランの間でにらみ合いが続いた英兵捕虜事件。これらの抗争は、決して当事国2国間の単独の戦役ではなく、実はブッシュ政権が数年前から描いていた「中東大戦争」の戦略的プランの一部にすぎない。 対テロ戦争と称してアフガニスタンとイラクに攻め込んだのも、両国を占領下において米軍の基地を常設し、東西両国にはさまれたイランを最終ターゲットとして攻撃するための、第1次、第2次の戦略ステップだというのである。これは何も私自身の憶測ではなく、各国の戦略及び外交問題研究機関がすでに数年も前から指摘し、論文で発表されてきた「ネオコン戦略の中東パラダイム」である。 ▼イラク侵攻以前から計画されたネオコンが想定する「中東ニューワールド」の設計図 軍事的整形手術の左がBefore 右がAfter こんなふうに大国の都合で勝手に国境を引き直されたら、アラブ人ならずとも憤慨するのは当然だろう 昨日の記事とあわせて『砂漠の冬のライオン』前後編を翻訳し紹介しているが、執筆したコラムニストは「米流時評」でもすでに十回以上ご登場願っている炯眼洞察の評論家、クリストファー・ディッキー氏である。氏特有の卓越した「Story telling/物語性のある」語り口に導かれて、複雑難解な中東のパワーラビリンスも、まるで中世の騎士物語でも読むように一気に読めてしまう。 もし今から数百年下って、この時代の中近東の権力抗争を眺め返したら、サウジのアブドゥラ国王はアラブ首長国会議という中東の円卓会議で、騎士たちの統一と和平を宣言した「21世紀の中東のアーサー王」と思い起こされるようになるのだろうか? そんな気にさせられなくもない『砂漠の冬のライオン』後編をご一読ください。 【2007年4月7日 米流時評 ysbee】 ▲写真上:アラブ首長国会議で米軍のイラク駐留を「国際法違反の侵略行為」と弾劾したサウジのアブドゥラ国王 __________________________________________________________________ APRIL 7, 2007 | 米 流 時 評 | ブログ雑誌『 楽 園 通 信』デイリー版 N e w s w e e k | W o r l d 砂漠の冬のライオン 中東情勢のドラスティックな大転換 サウジ国王にまで見放されたブッシュ政権 By クリストファー・ディッキー | ニューズウィーク・ワールドコラム | 2007年4月9日号 How the Saudi king, disillusioned with Bush, is trying to save the Arabs 6. A king and three princes Newsweek | April 9, 2007 issue—Over the summer, however, U.S. officials started getting what seemed to be very different signals from other Saudi officials. Prince Bandar bin Sultan, a close friend of the Bush family and for years a charismatic figure on the Washington scene, had been appointed as Abdullah's national-security adviser. As Bandar made frequent trips to visit members of the Bush administration, word spread in Washington that he was advocating a blatantly aggressive line against Tehran and its clients in the region, possibly including efforts to undermine Hamas in the Palestinian territories, support for Israel's efforts to take out Hizbullah in Lebanon and even military action against Iran's nuclear installations. 国王と三人の嫡出王子 しかしながら米国は昨年の夏を通して、サウジのもう一方の高官から、これとは非常に異なると思われる警告を受けてきたようである。アブドゥラ国王の3人の正統なる息子のひとり、バンダール・ビン・サルタン王子である。ブッシュ家とは親しい間柄で何年もワシントンの政治の舞台における重要人物であった彼は、国王の国家防衛顧問としての要職についている。バンダール王子がブッシュ政権首脳部を訪問するために足しげくワシントン詣でを繰り返していたことから、ワシントンの消息筋ではもっぱら次のような噂が囁かれていた。いわく、彼は中東でのイラン政府とその取り巻きに対して強硬路線を敷くよう主張しており、多分パレスチナ地域のハマスの勢力を抑えるための施策や、イスラエルがレバノンのヒズボラをやっつける攻撃への支持とか、さらにはイランの核施設に対する軍事攻撃などまでが、その要求の中に含まれているというのが、当時のワシントン雀の通説であった。 ▼首都リヤドで開催のアラブ首長国会議に出席中のサウジアラビア王国三王子のひとり、アル・ファイサル(中央) 7. Bandar-Olmert meeting? (At the height of Bandar's back-channel activity, Ambassador Turki Al-Faisal suddenly resigned for what he said were personal reasons.) The Israeli press reported without official confirmation that Bandar had also met with Israeli Prime Minister Ehud Olmert in a third country. Bandar was unavailable for comment, and U.S. officials declined to discuss their conversations with him. Other Saudi officials flatly denied that Bandar had met with any member of the Israeli government. バンダール・オルメルト会談? (バンダールの舞台裏での暗躍に業を煮やし、米国駐在サウジ大使であったツルキ・アル・ファイサル氏は、彼の説明するところによれば個人的な理由で突然辞表を出している。)イスラエル政府の公式発表こそなかったが、実はイスラエルの新聞は、「バンダールがイスラエル・レバノン戦争とは関係のない第三国でイスラエルのエフド・オルメルト首相と会談した」と報道している。バンダールはこの事実を確認することを拒否し、米国高官もまた彼との会談を持った事に関してふれることを否定した。他のサウジ高官もまた、バンダールがイスラエル政府のどのメンバーとも直接会った事はないと否定している。 ▼イスラエルのエフド・オルメルト首相:昨年夏のイスラエル・レバノン戦争では突然の空爆に始まるレバノン侵略を展開したが、レバノンのイスラム教軍団ナスララー師率いるヒズボラの抵抗に会い、ひと月半後に暫定的に終結。中東最大の近代的軍事力を誇るイスラエルも民族主義の色濃いレジスタンス戦線のゲリラ戦法には勝てない事を証明。また内外ともにイスラエルの人道に反する横暴な戦略に非難が集中し、一挙に人気失墜した。 8. Abdullah's policy: Talk to Iran Amid all this noise, Vice President Dick Cheney flew to Saudi Arabia to spend several hours with King Abdullah over Thanksgiving weekend. No official word about that meeting has been forthcoming, but according to usually well informed Saudi sources, if Cheney thought the king would endorse military action against Iran, he was mistaken. Since then, Abdullah's policy has been quite clearly to talk to Iran and its clients—whether Washington wants him to or not. イラン、ロシア外交も射程距離? これらの噂の真っ最中、感謝祭の週末に、ディック・チェニー副大統領はサウジアラビアへ飛び、アブドゥラ国王と数時間過ごした。この会見に関しては公式発表は一切なかったとはいうものの、情報通と定評のあるのサウジの消息筋によれば、その内容はこう解釈できるそうである。もしサウジ国王がイランに対する米国の軍事攻撃を了承したとチェニーが受け取ったなら、副大統領はまったく勘違いしていると。なぜなら、その当時からアブドゥラ国王の方針は、イランやその得意先(ロシア)と対話しようとしてたのは極めてはっきりしていたからだ。そうしてほしくないとか否かとかいう米国政府の思惑とは一切関係なく、ということである。 ▼ブッシュ政権の陰の大統領と目され一時は怖い者なしだったチェニー副大統領。しかし政権6年目ともなって「チェニーのチェニー=ブッシュ政権の真のブレーン」と呼ばれた側近のスクーター・リビーが「プレームゲート/CIAスパイ身柄漏洩事件」で有罪実刑判決を受けるなど徐々に権威を失墜し、最近は国内ではあまり顔を出さなくなった 9. Ambition for the peace in Middle East But he's also been talking tough. In Lebanon, the Saudis have reached out not only to their longtime allies but to Hizbullah as well, seeking to restore the unity of a government bitterly divided between anti-Syrian and pro-Syrian factions. Even more ambitiously, Abdullah has tried to restart the Arab-Israeli peace process. If his emotions were running high before, he must have been beside himself over the increasingly violent clashes between Hamas, which gets Iranian support, and the Fatah party of President Mahmoud Abbas, pushing the Palestinians toward civil war. "He just couldn't take that," says Foreign Minister Al-Faisal. Summoning the leaders of Fatah and Hamas to Mecca, Abdullah successfully pressured them to stop the fighting and form a unity government. When he then faced criticism from the Bush administration and Israel for undermining efforts to isolate Hamas, he was, according to one source close to the royal family, "furious." アラブ各国間の和平調停役 しかしアブドゥラ国王の外交姿勢は強硬でもある。レバノン会談では、サウジ王室は反シリア派と親シリア派にまっぷたつに分裂してしまったレバノン政府の再建統合を模索しようと、長年の友好国であるレバノン政府ばかりでなく、反イスラエルを標榜するイスラム教軍団であるヒズボラとも会談した。アブドゥラ国王はさらにもっと野心的な行動に出、アラブとイスラエルの和平協定への交渉を再開するよう務めてもいる。もしそれよりも前に彼が現在のように感情的になっていたら、イラン政府の援助を受けるハマスとイスラエルとの間に起きた衝突に関して、仲介役にまわっていただろう。またパレスチナのマムード・アッバース大統領の率いるファトゥワ党がパレスチナ人を市民戦争へと駆り立てるのにも目をつむることはなかったろう。 指導者役に目覚めてからというもの、アブドゥラ国王はファトゥワ党の指導者とハマスをメッカに召喚し、両者とも戦いを放棄して統一政府をつくることを約束させた。その件に関しては「ハマス孤立化の努力を無駄にするもの」というブッシュ政府とイスラエルからの批判に対面した時、サウジ王室と緊密なさる筋の証言によれば、国王は「烈火の如く怒った」そうである。 ▼2005年夏、常に紛争の絶えないイスラエルのガザ地区で、戦略的政策から入植者に立ち退きを強制するイスラエル警備隊。この直後指導者のアリエル・シャーロン大統領が倒れ、後任にリクードタカ派のオルメルト大統領選出。その後イスラエルは一挙にブッシュ政権ネオコン追従の好戦的戦略に走り、昨年のレバノン侵攻では国際的非難を浴びた。 10. Finding a new path toward peace By now, Abdullah is on a roll. He used last week's Arab summit to relaunch a peace initiative he had first proposed five years ago. It promises full recognition and peace for Israel with all Arab countries if and when it withdraws to its 1967 borders and an equitable solution is found for the future of Palestinian refugees. Far from dismissing the plan, as in the past, Olmert left the door open to further talks. "Saudi Arabia is the country that in the end will determine the ability of the Arabs to reach a compromise with Israel," he said. At a time when the future of so much of the Middle East is so bleak, the old scion of desert warriors may yet find new paths toward peace. At least, he's out there looking, and leading. 新しい中東和平への道を模索 始まりは遅きに失したとはいえ、アブドゥラ国王は今やのりに乗っている。先週サウジの首都リヤドで開催されたアラブ首長国会議では、5年前に彼が初めて提案した平和協定への再発足の場として活用した。それは、イスラエルとアラブ諸国との和平を全員一致で再確認することを約束するものである。その条件としては、1967年当時の各国の国境線を引き直し、パレスチナ難民の未来に対する基礎を作るという有効な解決策が挙げられる。過去にもあったように、それはとても無視する訳にはいかない妙案であり、オルメルト自身今後の話し合いへの扉を開けておいてある。「アラブ諸国がイスラエルとの協定に到達する可能性があると決断する国は、最終的にはサウジアラビアである」と彼は主張する。 中東のあまりにも多くの国々が一触即発状態であるときに、砂漠の武将たちの老いたる末裔アブドゥラは、いまだなお平和に向かっての新しい道を探し続けているかのようだ。少なくとも、彼は実際にその地で部族を見守り指導している、ということだけは確かだ。 ◀4/6号「砂漠の冬のライオン」前編を読み返す 【米国時間 2007年4月7日 訳:ysbee】 ▼中東戦略においてなぜブッシュ政権を牛耳るネオコンタカ派がイラクを最初の攻撃対象にしたかは、中東各国の要に位置するジオポリティカルなポジションを見ても明らかである。 米流時評 ■ 特集「次世代冷戦時代」 ▶ 序 章 「次世代冷戦時代」崖っぷちに立つブッシュ政権とプーチンの反目 ▶ 第1章 「冷戦のデジャヴ」歴史は繰り返す・ブッシュ政権ミリタリズムの帰結 ▶ 第2章 「次世代冷戦の夜明け」イアン・ブレマー評論・多極化する世界構造 ▶ 第3章 「プーチンのロシア」多極化する次世代冷戦時代の到来 ▶ 第4章 「J 曲線/J Curve」イアン・ブレマー著・世界危機のリスクマネージメント __________________________________________________________________ ▼ ちょっと油断したらランキングが下がりました。残念!挽回します。クリックしてランキングにご協力を、 どうぞよろしくおねがいします! 一番下のランキングは推薦制で、すでにどなたかが推薦してくださってました。 ありがたいことです。いつもご愛読ありがとうございます。 政治ブログに参加しました よろしく! 全国区はきびしい 牛歩の歩みですがぽちっ! 2位復活を目指してます よいしょ! こちらもトップをめざしてクリック! くる天ブログランキングは サイト内で「投票」アイコンをクリック! おかげさまで 参加していきなりニュース部門でトップになりました! 全カテゴリ総合でも8位です。 以下ブログの本誌です ▶ 本誌『楽園通信』カバーページ ▶『楽園通信』全記事アーカイブ ▶『楽園紀行』イタリー編トラベローグ ▶『楽園百撰』ハワイのベスト100 『米流時評』自選コラム・ベスト3 ▶傷だらけの星条旗/米国ジャーナリズムの良心 ▶米国式濃縮ニュース解説/風に聴け精神よ何処へ ▶西暦2003年のコマーシャル/広告と戦争のはざまで
by ysbee-Mac
| 2007-04-07 16:40
| 中近東・イラン問題
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